新作①「記憶の大河」解説

今日は終日第110回二科展の受付業務のため、作品の解説を試みた。

尾形光琳の「紅白梅図屏風」へのオマージュとして昇華させた彫刻屏風作品。

素材は、かつて学び舎で子どもたちの日常を支え、役割を終えた小中学校の机の天板である。自然の木から加工され、机となり、やがて廃材となった素材。日々の学びの中で刻まれた子どもたちの無数の記憶を内包するその乾いた木肌に、再び新たな命を吹き込んだ。それらの重なり合う歳月が、中央に広がる白い網目状の川となり、過去から未来へと力強く流れていく。

左右に表現したのは、静と動、二つの異なるエネルギー。左側には細やかな積層が紡ぐ、時を重ねた「巧拙」の味わいを。右側にはうねるようなラインが放つ、若々しい「勢い」の生命力を宿した。

役割を失った廃材が、他者の記憶を乗せたひとつの大きな大河として、今ここに新しく息づき始める。その姿を、ぜひご覧いただきたい。

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